秘密の門扉: 和弥と華菜の旅
和弥と華菜の二人が門扉の中に入ると、狭い水路が先へと続いていた。
「おい、そこの君たち、船を一旦止めてくれ」
二人より年上の男子が水路の左側に立ち、手に持った棒で水路を塞ぐ。
和弥は思わず操舵室に駆け込み、船のエンジンを停止させる。
華菜のそばに戻った和弥を見ると、年上の男子は反対側にいた同じくらいの年頃の女子に目を配り、素早く二人の船に乗り込んできた。
「これより、厳粛な検査を5分で済ませる。」
彼の言葉と共に、年上の女子と共に船の中をチェックし、さらにバックの中身も調べ始めた。すると、バックから何かを見つけた男子が女子に手を上げて制する。
「君たちは、選ばれた者のようだ…」
「えっ?」
思わず華菜が呟く。
「要するに、君たちは身分が高く、大切にされなければならないということだ。」
二人は困惑の表情を浮かべるが、そんなことお構いなしに、年上の男女は操舵室に入り、船を動かす。
乗った四人は、すれ違いができないほど狭い水路を奥へと進む。やがて、和弥と華菜の視界に看板が見えてきた。
四人の乗った船が、狭い水路が交差する地点を真っ直ぐ進む。数十分の航行の後、ついに水路がより狭くなるポイントに到達し、年上の男女が指示を出す。それに従い、四人は船から降り、小さな水路に沿って進んでいく。
やがて、門番の立つ小さな門扉が見えてきた。年上の男女が門番に何かを見せると、門扉が静かに開かれ、さらに奥へと進む。
小さな水路が終わると、幅広い廊下のような通路が、四人の左、前、右に分岐していた。四人は分岐点に立ち、年上の男女からアドバイスと道具を受け取る。
「この道具は特別なものだ。今から、道順が示されるから、その通りに進めば君たちの部屋に辿り着けるだろう。これも渡しておこう。」
年上の男女の言葉と共に、二人のバックを渡し、明るい笑顔で見送る。
和弥と華菜は、道具から発せられる指示に従い、さらなる奥地へと進んでいった。