スケッチブックと二人の親密なひととき

華菜と和弥は、再びスケッチブックを取り出してから50分ほど経った頃、船内放送が流れ始めた。

「お客様にお知らせいたします。本船はまもなく北大東島に到着いたします。北大東島から終点となる糸満への出発は明朝を予定しておりますので、ご了承ください。」

二人は、船内放送が流れていることに気づかず、夢中になって絵を描き続けていた。

しばらく時間が経ち、ふと和弥があくびをすると、華菜が言った。「そろそろお風呂に入ろう。」

「そうだね。」と和弥が応じると、お互い何の気にも留めず、そのまま服を脱ぎ始め、浴室へと向かった。

浴室に入ると、二人は互いにシャワーを浴びせあい、温かいお湯で体を流しながら、いつの間にか気持ちよくなった湯船に浸かっていた。

湯船に座る二人は向かい合い、頬が少し赤らんでいるのを感じていた。

その時、華菜がゆっくりと体を動かし、和弥に寄り添ってキスをした。

和弥も自然に華菜の背中に手を回し、優しく抱きしめて、唇を柔らかく返した。

二人は絡まった手を解くと、笑顔で見つめ合っていた。

「お風呂から上がったら、お絵かきの続きをしようね。」

「うん。」

二人の顔には、幸せな笑みが浮かんでいた。