青空の島:南大東島へ向かう船旅

華菜は、ふと目が覚めると、隣で、和弥がぐっすり眠っているの気が付いた。

外のほうに目を向けると、目の前に、青空の中に島が迫っていた。

「お客様に、お知らせいたします。間もなく、本船は、南大東島に到着する予定です。南大東島には、海上で、多大なる燃料を消費してしまったため、2日間ほど、停泊いたします。また、南大東島内には、ホテルなどはありませんので、ご注意ください。また、出発時の点呼も行いませんので、ご了承ください。」

船内放送が終わると、船室のチャイムが鳴る。

「はい…」

華菜が、ゆっくりとドアを開けると、子宝島で、船を案内してくれた船員が立っていた。

「華菜ちゃんおはよう。」

「おはよう…」

「洋服、似合ってるね。」

華菜は、船員にそう言われ、いつの間にか服を着替えていたことに気が付く。

すると、船員がゆっくりと、二人の様子を話し出した。

その船員の名前は、海風薫というらしく、二人の専用接客係で、彼女が、うとうとしながら、管制室にいたとき、アラートが届いて、二人が、お湯が張られた浴槽内で、寝てしまっていることに気が付き、慌てて着替えを探して、二人の部屋駆け付け、二人を起こして、眠そうにしている中、洋服を着せたのだとか、その時に着た服が今の服だとか・・・という話だった。

「へぇ…」

華菜は、自分たちが何をしたかということに気が付かず、素っ気ない返しをする。

すると、和弥が眠たそうに、起きてきた。

「おはよう…」

「おはよう。よく眠れた?」

「う…、うん…、たぶん…」

「もうすぐ、次の島につくから、そしたら、お姉さんは、少しばかし、船から離れるね。」

彼女はそう言うと、去っていった。

「ねぇ、どうする?」

華菜が、和弥に聞く。

「うーん…、おもちゃないかな…」

華菜はその返事に少し驚いたが、すぐにうなずき、「じゃあ、さがしてくるね…」といって、船室を離れた。

和弥は、自分たちが、浴室で何をしたかを覚えていないようだった。

すると、船内に到着を知らせるためのチャイムが鳴りだした。